御影石にシミこんだ荒縄の茶色いシミを落とす方法

御影石に荒縄のシミがついています。これは、新築工事のとき、御影石を輸送する際、御影石を荒縄で縛ったためにできる汚れです。「その荒縄の茶色い色が、白の御影石に染み込んでしまい、取れなくなってしまった」との、お問い合わせがありました。しかし、こうなってしまったら、もはや掃除して取れるレベルの汚れではありません。例えていうなら、白色のＴシャツに、しょう油かコーヒーをこぼしてしまい、知らずに放置して数日経った…… というような、しっかり染み込んだ状態を想像してください。

御影石にシミこんだ荒縄の茶色いシミを落とす方法お掃除前とお掃除後ではこんなに違う
御影石にシミこんだ荒縄の茶色いシミを落とす方法お掃除のポイント
御影石にシミこんだ荒縄の茶色いシミ落としに使った洗剤と道具
御影石にシミこんだ荒縄の茶色いシミを落とす手順
御影石にシミこんだ荒縄の茶色いシミを落としに関連するお掃除

御影石にシミこんだ荒縄の茶色いシミを落とす方法お掃除前とお掃除後ではこんなに違う

石に深く入り込んだシミ抜きは、大変時間がかかります。工期に余裕がない場合は、新品と入れ替えた方がいい場合があります。全体の流れを考えて進めて下さい。

掃除前

御影石に茶色シミが付いています。裏面
掃除後

これぐらい、キレイになりました。裏面
掃除前

御影石に茶色シミが付いています。表面
掃除後

これぐらい、キレイになりました。表面

御影石にシミこんだ荒縄の茶色いシミを落とす方法お掃除のポイント

シミ汚れは、漂白するが一番ということで、テストしてみました。洗剤を塗布して、ブラシでこすって何てそんな簡単な方法では全くきれいになりません。ただひたすら洗剤につけ置き、洗剤に働いてもらうのを待ち、観察することがポイントとなります。

注意テキスト: ・使用洗剤の「アクロンAB」は医薬用外劇物にあたります。そのため、当店ではネット販売を行っていません。

御影石にシミこんだ荒縄の茶色いシミ落としに使った洗剤と道具

石の洗浄と染み抜きで実績のある、ミヤキ社の「アクロンAB」「ノーベルAB」、ヘルスビューティー社の「ハイスキット」を使いました。特に、アクロンABは医薬用外劇物にあたりますので、取扱いに注意が必要です。

使った洗剤と道具

汚れ落とし用洗剤

アクロンAB

基材を傷めにくい弱アルカリ性です。

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ノーベルAB

希釈倍率により漂白効果が変わります。

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おすすめの汚れ防止剤: おすすめ汚れ防止剤キレイになったらその状態を維持したいですね。そんな時に、おすすめする汚れ防止剤をご紹介します。

汚れ防止剤

イシモール

石用浸透型撥水保護剤です。
使用後は色艶の変化はなく自然なままの風合いが保たれます。

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施工前
施工後

御影石にシミこんだ荒縄の茶色いシミを落とす手順

今回この作業に要した時間は、11日間です。正直、これは汚れの領域を超えております。素材内部に染み込んだ汚れは、洗剤で洗っても簡単に落ちるものではありません。私がテストで成功したのは、たまたまかもしれませんし、この方法が必ずしも確かとは言い難いのです。【施工業者の方】施工にあたる際には、ご依頼主様とのしっかりとした、事前説明が重要です。【ご依頼主の方】これは簡単な掃除と認識されずに、これは手間がかかる！とご理解ください。ある時は、うまくいく！またある時は、うまくいかないことも多々ある、と認識ください。

手順1

まずは、アクロンＡＢの２倍希釈液を準備し、御影石の表面の汚れをしっかり掃除します。この工程は重要です。漂白剤を、シミに素早くアタックさせる為にも、汚れという障害物を取り除く必要があります。
手順2

荒縄のシミを漂白する為、ハイスキット４倍希釈液で浸け置きました。袋で閉めてください。次亜塩素成分を飛ばさないようにして、漂白効果を持続させておくためです。
手順3

御影石の右側部分を浸け置いた、2日後の状態です。
手順4

さらに御影石の左側部分を浸け置いた、2日後の状態です。表面のシミは、いいところまで落ちました。
手順5

ノーベルＡＢ10倍希釈で、全面浸け置き7日後の状態です。大きい容器に移し、最終仕上げに別のシミ抜き剤を使用し、7日間放置しました。『ハイスキット』より強めの洗剤『ノーべルAB』を使った理由は、洗剤効果を測定するためです。強めの洗剤『ノーべルAB』でもキレイになるのか？内部に染み込んだ、あと少しの頑固なシミにも効くのか？を確認しました。結果、十分キレイに除去することができました。画像は裏面です。
手順6

表面も、この通り、きれいになりました。